エビ釣りに初めて出逢ったあの日。
タイを中心に、世界のエビ釣堀を渡り歩いて114店舗。まさかこんなにもエビ釣りの魅力に魅了されるとは思っていませんでした。
2011年に初めてバンコクのジャルンナコンエビ釣り堀を訪れて、エビ釣りの面白さに取り憑かれたあの日。暑い中、氷の入った冷たいビールを飲みながらのんびり釣りをして。釣れたエビをツマミにまたビールを飲む爽快感。エビ釣りを終えて、帰り道までも「楽しかったな〜」という気持ちが続く充実感。
エビ釣りが僕の人生を楽しすぎる毎日に変えたといっても過言でないほど、南国タイで面白い遊びに出逢ってしまいました。
あの頃はエビ釣りのことを記事にしている人は誰もいなくて、2013年にこの前身のブログで行き方を写真付きでブログに載せた所、多くの人びとがジャルンナコンエビ釣り堀に訪れるようになりました。
当時は、外国人のお客さんは0だったので、釣れたエビを見せてBBQ PLEASEといっても通じなくて、英語一本ではエビの料理をオーダーするのも大変でした。
余談ですが、今では超有名になったタイ・チェンマイの塔の上のラプンツェルのモデルになったコムローイ祭りも一番最初に記事を書いたのはこの前身のブログです。当時は行き方どころかどこでどの時期に開催されるかも書かれていませんでした。
エビ釣りブロガーの前は旅ブロガーだったよね!
エビ釣りは道具が全て。
当時も今も変わらず、エビ釣り竿を手に入れるのは難しくて、2018年まではお店で無料で借りられるレンタルタックルで釣りをしていました。
この記事を書いている今も、バンコクでエビ釣り用の釣り竿を置いているお店はかなり少なく、人気の釣竿は発売前にオンライン上で売り切れてしまい店頭に並ぶことはありません。タイでエビ釣り道具を揃えるのは意外と難しいです。
実際、レンタルタックルは気軽でいいよね〜!
でも、久しぶりにレンタルタックルを使うと、いつも釣れるのは、道具が良いからってことを思い知らさせる。
そこんところ詳しくよろしく。メモメモ。
レンタルタックルを使用すると、店員さんが道具をセットしてくれるので後は釣るだけなのですが、ウキが沈んでアワせても上手くエビがかからなかったり、そもそもエビのアタリが無かったり。当たりのレンタルタックルに当たらないと釣るのは難しいです。
いっぱい釣っていい経験をしたことがある人は、むかしからある、釣れた分だけ買取の「エビのつりぼり」っていうお店で釣りをした人が多いです。
基本は1時間100バーツ(約450円)で釣れた分だけもらえるシステムだよ〜
タイのエビ釣り堀でエビが釣れない4つの理由。
釣れないのには幾つか理由があって言語化しますと、
1, タナがあってなくてウキが沈まない。
2, 針先が鈍っておりエビに刺さらない。
3, エサが合っていない。
4, 竿が硬すぎる・柔らかすぎる
他にも細かい理由はありますが、そもそもアルバイトの店員さんにエビ釣りの知識がなくてウキ下の糸の長さが合ってなくてエビの口元に餌が届いていない。
針先が尖っていなくて硬いエビの口に刺さらない。常連さんが集エビ材を餌につけている中、プレーン味で釣っているので釣れない。釣れてもレンタルロッドが硬すぎて、柔らかすぎてエビが外れる。
道具関連で大きな理由はこの4つに分けられます。
釣りのテクニックはもちろん必要ですが、エビが釣れない理由は80パーセント以上、道具が原因です。
釣れない理由1。特に仕掛けの深さが合っていないと100パーセント釣れないので、この仕掛けの長さを測る水深棒は絶対に必要になります。お店でかりることも出来ますが、これも使い方に慣れるにはコツが必要なので、釣りに行く前にマイ水深棒だけでも手に入れておくと釣果が全然違います。
エビの反応が無くてお店で今この記事を読んでいる人は、この画像を店員さんに見せて水深を測り直してもらうのが大吉!
釣れない理由2。続いては、釣り針です。タイのエビ釣りでは、釣り針はエビ釣り針専門の職人が、手作業で針に細い針金を巻いた手作りの仕掛けを使っています。レンタル品だと針先が潰れていたり曲がっていることがよくあり、針が原因で釣れない場合があります。
この釣り針は何百種類とあり、常連さんはそれぞれ自分が信じた釣り針を使っています。台湾やベトナムのエビ釣りは日本と同じでメーカーが出している市販の仕掛けなのですが、タイのエビ釣りは全て1点1点職人さんが作っているのが、個人的に惹かれてしまうポイントです。
エビ釣り、楽しすぎない??
この画像を見ているだけで今日もエビ釣りに行きたくなる!笑
釣れない理由3。続いて、フォーミュラです。常連さんは釣り堀で配られる鶏の心臓に必ず味付けをしています。カツオの油だったり、イワシの油だったり、サーモンの油だったり、魚の肝などが色々ミックスされた茶色のペーストだったり、それぞれです。
これも、みんな自分が信じたこだわりの1点を持っていて、実際に「この池ではこのフォーミュラ付きのエサが喰いつきやすい」というパターンを何度も見てきました。
釣り針もみんな違うし、フォーミュラもみんな違うし、個性が凄くて本当に面白いんだよね〜。
ちなみにお気に入りのフォーミュラと釣り針ってあるの?
もちろん!笑
ところで、魚釣りをしたことがある人で釣竿に強いこだわりがある人っていますか?
エビ釣りの最大のコツは釣竿だった。
ここまでが、僕がエビ釣り竿への意識が全く無かった頃の知識です。この頃まではエビ釣りは釣り勘とテクニックを磨けば釣れると思っていました。
釣れない理由4。それは、釣竿です。
結論、魚とエビは全然違う。
僕は親が大の釣り好きということもあり、幼稚園の頃から魚釣りを教わり、中学生の頃は365日中365日自転車で釣りに行くような釣り少年でした。高校に入って部活に入り、釣りに行く機会は減ったのですが、それでも一般的な人よりも釣りに行き、「魚は買うものでは無く釣るもの」と思っていたので、社会人になり居酒屋で刺身の値段を見て驚いたことを今でも思い出します。
こんな僕の感覚からすると、「大体魚は工夫すれば釣れるもの。高級な釣り竿を使わずとも腕を磨けば安い道具でも十分」と思っていました。特に魚釣りを今までやって来た人はこの感覚が分かると思います。
この経験が邪魔をして、エビを誘惑するエサやエビの硬い口を貫く釣り針が大事なのは分かるのですが、まさか。まさか。釣竿が一番大事なポイントだとは気づくのに何年もかかりました。
ふむふむ(いつものわかっているフリ)
(まだ説明してない)笑
バレたか。笑
タイのエビ釣りは釣竿が8割。
結論、釣り針とエサは工夫してなんとかなるものです。どんどん工夫して自分のスタイルを見つけるのが最高に面白いです。
問題は釣竿です。釣竿のアクションが変なものを使うと、釣りのフォームがどんどんズレていき、いずれエビのアタリがあるのに全然エビがかからないようになります。
エビが餌を食べるのに釣れないこと、よくありすぎる!!
釣り針だけでも50種類以上試しましたが、釣竿に関しては安いものは900THB(4,053円)から高いものは9000THB(40,537円)のものまで60本以上買って実際に試しました。※中心値は3300THB(14,863円)
これらの結果を発表すると、いくらマイロッドを使っても2000THB以下(9,000円)の釣竿は基本的に設計が絶望的です。
簡単に言うと、竿にコシが無くて、エビがエサを食べても針先が口に貫通しません。もしくは、アクションのバランスが悪く、竿が硬すぎてエビを弾いてしまいます。
魚釣りの感覚でエビ釣りをしてたから、釣竿は完全に盲点だった!
じゃあ、高い釣竿を使えば釣れるの??
Pomちゃん、いい質問!
実際に、3000バーツ以上の釣竿を釣具屋さんで厳選して40種類以上購入して試してみたのですが、あえて選ぶ価値があると思えるのは3本だけでした。
もっと厳しいことを言うと、3本の内1本だけしか理想に近い釣竿はありませんでした。この頃からタイのエビ釣りトーナメントに出るようになったのですが、プロのトーナメンターは6割が僕が選んだ3本の内のどれかを使用していました。※残りの4割は廃盤のロッドを使用。
タイのエビプロトーナメンターは「スポンサーは自分」という人が多く、基本的に超お金持ちで、規模感で言うと証券会社を持っている人もいたりするので、どんどん新しいものを試していいものだけを残していく人たちです。
そんな人たちが選んだ釣り竿と辿り着いた答えが合っていたことが「タイの理想の釣竿とは何か」の答え合わせです。
結論、どんな釣竿がよく釣れる釣竿なの?
その答えは、ウキ + 竿でアタリが取れて、硬いエビの口に確実に針が刺さってエビが暴れても外れない設計の釣竿。
確かに、それが本当にあるなら他の釣り人と「差が出る」。
究極のエビ釣り竿を作ることにした話。
無いなら作ってしまおうと思って始めた、タイのエビ釣り専用釣竿。勿論、釣り竿なんて作ったことはありません。でも、作れないなら作れる人にお願いしたらいいのです。
例えるならば、ミシュラン星が付く寿司職人になるのに20年かかるとしても、ミシュラン星が付く寿司職人に寿司をオーダーすることは出来ます。作ってくれるかどうかはさておき、理論上は出来るんです。
当たり前の話ですが、基本的に一個人が工場に直接連絡しても相手にされません。十中八九、既に取引のある大手の会社や代理店を挟むことになります。その結果、一般的に新星ブランドは品質が良くても高くなってしまいます。
中間業社に抜かれて1本5万円とかになって、そんなの誰が気軽に使えるの??という話になります。少なくとも僕は買いません。
ここで豆知識。日本の大手釣竿メーカーでも、実は、自社で釣竿工場を持っていない。
えええええええ。
ちなみに日本が世界に誇るユニクロも工場を持ってなくて、ベトナム人・韓国人・中国人オーナーの工場が指示通りに作っていたりするだけだったりします。
ってことは、直接工場と交渉・相談しながら一緒に出来れば究極の釣竿が作れると。
うん!大体、相手にしてくれないけど。笑
という訳で、まずは地道にタイで釣竿に詳しい人に目星をつけて仲良くなることから始めました。タイとミャンマーの国境まで行ったり、とにかく足で稼いで、最終的にタイのエビ釣竿の設計をしている人と友人になりました。
色んなお店に行って、いっぱい買い物をして、人を紹介してもらっての繰り返し。
そして、台湾の会社に辿り着き、台湾でゲーム開発会社を経営している大学時代の友人経由で工場に連絡を取り、高級釣竿を作っている工場で釣竿を作ってもらえるようになりました。
簡単に言ってるけど、実際にするのはすごい大変そう。
僕が作りたかったのは、宇宙航空機にも使われる日本製の高級カーボンをコストを全く気にせず贅沢に使用して、0.1mm単位でアクション調整したエビ釣竿です。
タイの高級釣竿は4万円以上するものがありますが、それ以上のクオリティで半額の2万円台を目指して作ろうとしました。
中国の生産工場に行って、社長と工場長と設計士と話して話を詰めていきました。
エビ釣りへの情熱がすごい。
でも、求めているクオリティが高すぎて当初工場が想定していた技術とコストに収まらなくて、一度計画は途絶えることに。でも、ここで諦めずに再度工場を探すことに。
中途半端なクオリティで作るなら作らない方がいいし、高すぎても誰も使えない。
あきらない気持ちが大事!!
助けてくれたのは、タイでエビ釣竿を設計しているタイの友人とエビ釣り友達のフランス人でした。
うおおおおおおおおお!!
ここから、再度エビ釣竿の開発をやり直し、サンプルロッドを作り続けること合計1年6ヶ月。
細かく設計し直したサンプルロッドを使用して、プロが競い合うタイのエビ釣りトーナメントで高い確率で賞を取ることが出来るようになりました。最終系のサンプルでは、優勝が難しいチェンマイの有名な試合で優勝したこともあります。
自分だけ売り出されていない釣竿で釣るのはずるいと言われる日々。何度も値段はいくらでも出すから売ってくれと言われました。
やっぱり、釣竿って重要なんだね!
餌と針はどこまでも工夫出来るけど、釣竿は自分で手を加えれないからタイのプロは皆んな理想の釣竿を求めてる。
という訳で!
僕がプロと同じ環境で1年半かけて磨き上げたロジックを、宇宙航空機にも使われる日本製の高級カーボンをコストを全く気にせず贅沢に使用して、0.1mm単位で調整・計算して究極のエビ釣竿を作りました。
圧倒的なハイエンドモデルを圧倒的な低価格で作り上げた、、
その名も、オニヒメ!
何とか2万円台で売り出すことが出来るようになりました。
笑い話だけど、5万円の釣竿は使うのは流石に気を遣うから2万円台は嬉しい。
本当にギリギリです。
お知らせ
このプロとも戦える究極のエビ釣り竿ですが、先行オーダーセールを行います!
160cmと180cmの1セットのオーダーで、日本製のエビ釣り針が付いたエビ釣り仕掛け1個(2400円相当)+水深棒(1600円)。合計4000円相当の特典がついてくるキャンペーンを行なっています。
最初からマイロッド+プロ仕様の道具が全て付いていくるお得なキャンペーンです。
先行オーダーが超お得!
いつもブログをお読みいただきましてありがとうございます。もし宜しければ究極のエビ釣竿もお楽しみください!こちらからどうぞ onihime.com
あとがき
あまり、普段何の仕事しているか話すことはとても少ないのですが、普段はこのエビ釣竿と同じような流れで始めることになった会社を経営しています。商品を磨き上げることが趣味のようになっていて、一つの商品に対して何度も何度も試作を行うのが日課です。
これは経験から得た知識なのですが、僕が今まで様々な工場と付き合って来て、この工場は信頼出来るなと思う共通のポイントがあります。それは今回のように何度もやり直させてくれる工場です。
目先の利益しか考えていない工場は、1度サンプルを作ると「いつ量産しますか?」とすぐに詰めて来ます。勿論、中途半端なものを作っても売れないし、信用も失います。
逆に、日本のマーケットに出しても前線で戦える上場企業しか付き合っていない上位の品質の良い工場は、何度も何度もやり直しをさせてくれます。このタイプの工場の門を開くのは個人にはとても難しいです。(でも出来ます。)
今回のエビ釣竿は、何度も何度も作り直して、数十年の歴史のあるタイのエビ釣りマーケットで一番を狙えるエビ釣竿に仕上がりました。
一点一点手作りで作っている関係ですぐにとは行きませんが、2年後にはどこのエビ釣り堀に行ってもオニヒメを使っている景色を描いて商品作りをしました。最初の1ページとなるこの釣竿でタイの大人の遊び、エビ釣りをしてみませんか?
マイロッドを使って、エビ釣り三昧!!
神谷純平
この記事を書いている人
WEBで仕事を作り、仕事を仕組み化して旅を続けている神谷純平といいます。
場所と時間にとらわれず「好きな時に好きな場所で仲間と笑ってご飯を食べたり、水族館でしか見れないような魚を釣る生活」を今日も世界中の何処かで送っています。
台湾で暮らす親友に会いたい時に会いに行きたくて2013年に家を断捨離してホテル暮らし11年目。
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えええええええ。
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なんか、歳を重ねたなあ。笑